元 日テレ・東京ヴェルディベレーザ。1989年3月1日生まれ。東京都出身。中学生時代に日テレ・東京ヴェルディベレーザの下部組織である日テレ・メニーナに入団。2005年にはAFC U-17女子選手権で日本代表の主将として優勝に貢献し、大会MVPにも選ばれる。2007年から2016年に引退するまで、日テレ・東京ヴェルディベレーザ一筋でプレー。
日テレ・東京ヴェルディベレーザで活躍した原菜摘子氏がサッカー専門の通信制高校biomサッカーコースに通う唯一の女子生徒とサッカー女子の将来設計について語り合う。(2016年8月31日収録)
原菜摘子(以下 原): 仁美ちゃんはbiomサッカーコースで唯一の女子なんだってね! 男の子に囲まれて、なんだか寂しくない?
谷口仁美(以下 谷口): 少しだけ寂しいですね……。でも、授業は面白いです。
原: 授業だけ? プレーはしないのかな?
谷口: 一度だけ練習に参加したのですが、やっぱり高校生の男子にはついていけませんでした。だから、今は講義だけでも受けています。
原: そっか。男の子とは体格もスピードも差があるものね。サッカー自体はやっていたの?
谷口: 小学生の時は少年チームに入って、中学に上がってからも1年までは男子の部活に混じってプレーしていました。
原: すごい! 私も小1からサッカーしているけど、ずっと女子チームだったよ。男の子と同じピッチに立ったことないね。
谷口: はい。でも、中学生になると身長や体格が違いすぎて……。私も女子チームがあれば続けたかったんです。地元が岐阜県なのですが、女の子がサッカーできる環境じゃないんです。女子の大会が少ないから女子チームもかなり少ないですね。
原: 私はずっと東京だから機会に恵まれたんだね。地方だと女子チームって難しいのかぁ。
谷口: それでもサッカーは見られますから。なでしこジャパンの優勝以来、ずっと夢中です。
原: 観戦も楽しいけど、プレーしたいでしょう! 私、いろんな世代のサッカースクールで教えているし、女子高校生チームのコーチもしているから遊びにおいで。
谷口: ありがとうございます!
原: biomサッカーコースの講義って、具体的にどういうところが面白いのかな? 私はサッカーをプレーせず、座っているだけだと辛いよ(笑)。
谷口: 理論はもちろん、サッカーを支える裏方の役割についてや、私たちの未来に繋がることまで教えてもらえます。進路というのは進学だけじゃない、色々な選択肢があるんだというのを知ったのもbiomサッカーコースに入ってからです。
原: 難しそう……。でも楽しいんだね!たくさん勉強して、将来は何になりたいの?
谷口: スポーツプロモーターになりたいです! 大会の企画、運営をできるようになって、地元で女子サッカー大会を開催するのが夢ですね。
原: え、すごい。そのためにもbiomサッカーコースで学んでいるんだね。
谷口: 今度、安彦総監督に同行して、少年サッカー大会を見学させてもらいます。きっと他校ではできない経験だと思うので、もうワクワクなんです!
原: 仁美ちゃんみたいに、サッカーをしたくても環境によってサッカーができない女の子はたくさんいると思うけど、そういう子たちを応援するってスゴく素敵だよ。必ずプロモーターになって、サッカー女子たちを助けてあげて。あと、お願い、イベントをやるなら私のことも忘れずに呼んでね(笑)!